今日の手術は笑った時に歯ぐきが見えすぎてしまう「ガミースマイル」の改善をご希望された患者様の手術でした。
この手術、少し、出血をしますが、腫れたり、痛みが出たりすることのない優れた手術方法です。
この手術のために入念な検査をする先生が、一見安心できるように感じますが、検査が目的ではなく、「きれいに仕上げること」が目的です。
検査だけ出来ても、手術が上手でないと、きれいに仕上がらないので、やっぱり手術が上手な先生に手術をお願いするべきです。
では、手術前の状態を診察しましょう。
レントゲンでは歯周ポケットの深さ、歯の大きさは異常がなくて適切な大きさの歯が埋まっています。
(ついでに親知らずもあります。)
歯の大きさは、普通くらいに見えますが、埋まってしまっているので、実際に見える歯の大きさは小さくて、歯ぐきが長いのです。
ですから、検査をしてみます。歯と歯のバランス、歯と歯ぐきのバランス、歯ぐきの厚みや歯との密着度などを測定します。
検査をしてみると、歯の邪魔をしている歯ぐきがあることがわかります。
密着の程度も強いです。
犬歯の歯ぐきは厚みがあります。
犬歯はこのくらい埋まっているのです。
まずは検査結果をもとに、切除する歯ぐきの範囲をマーキングします。
このくらい切除すると、すごくきれいになるラインです。
それでは、まずは前歯の2本を片側だけ手術を行って、左右差を確認してみます。
左右の歯の大きさ、歯ぐきの長さの変化に、患者様もびっくり。喜んでいただきましたので、このまま左右を均等になるように手術します。
歯ぐきの下に潜っている歯をきれいに露出させて、歯槽骨整形(尖っている歯槽骨は丸く、柔らかくします)、歯石がついている場合は歯石除去も一緒に行っています。
この手術は、手術前の状態に比べて、歯の大きさが大きくなる分歯ぐきの面積が減り、歯の形は大人の歯の形になり、歯ぐきは見えなくなります。
手術後に歯ぐきの黒い部分がありますが、次の日の朝にはキレイなピンク色になります。
少しただれているように見える部分は、2日程度で治ります。
おうちケア専用の歯ブラシで1週間ほど、アフターケアをお願いしています。おうちケア専用の歯ブラシは手術費用に含まれています。
手術後の痛みはありませんが、お守りとして、痛みどめのカロナールをお渡しします。
お口の中を清潔に保って頂くために、ネオステリングリーンもお渡ししています。
手術費用(110,000円)には、歯ブラシの費用も、お薬の費用も、うがい薬の費用も、おうちケアのための専門の歯科衛生士による歯ブラシ指導も、歯槽骨整形、歯石除去も含まれています。歯冠長延長術として、この費用の中で行なっています。
保険が効かないのが申し訳なく、費用の負担を自費治療とさせて頂いております。
この手術では後戻りがをご心配される患者様がいらっしゃいますが、歯冠長延長術をおこなった後は、後戻りはありません。再手術は不要です。
歯冠長延長術は単独療法で十分な効果が得られます。他の方法、セラミッククラウンの併用は不要です。歯槽骨整形の併用もこの費用の中に含まれています。
歯冠長延長術はこの手術だけで他の処置を組み合わせなくても、後戻りすることはありません。