長い顎を改善したい場合
① 水平骨切り(sliding osteotomy)、骨切除術(中抜き)
② オトガイ下端削骨術+結節部斜骨切り術
短縮と同時に顎を前に出したい場合
① 水平骨切り+可動骨片前方移動術
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それでは貴方の場合、どの手術方法を選択すればよいのでしょうか?
例えば、横顔をみて顎が引っ込んでいる状態を顎だけを出して手術で改善すると、術後の正面では顎が長く見えてしまうことがあります。
まず、正面からみたオトガイの長さを計測します。
下口唇下端(赤唇の下縁)~オトガイ先端までの長さの日本人の平均値(女性35mm、男性38mm)以上の長さがある場合には水平骨切り短縮手術を選択すべきですし平均値以下であればシリコンインプラント法を選択すると良いでしょう。
バランス感覚を大切にして手術方法を選択してください。
オトガイ形成術は単にあごを削るだけではなく、顔全体のバランスが取れている顎であり、嚙み合わせが整っている顎であることが大切です。顎は立体的な構造しているので、正面からだけではなく、横から見てもバランスの良い形に整えなければなりません。また下顔面にありますが、顔の中心となるパーツであり、額や眉間、鼻背、鼻尖など周囲と調和が重要です。
顎の形態改善、整容治療の中でもっともポピュラーな施術がオトガイ形成術です。
日本人のあごは西洋人の顎と比べて、後退傾向にあります。また、東洋人特有の顎が小さく、幅が広く、個人差はありますが、しゃくれていることも多くあります。顔のコンプレックスとして悩みを抱える方も少なくありません。鼻や目は美容整形で改善しますが、顎は単純な美容整形ではなく、歯の状態や嚙み合わせ、顎関節運動などの機能性と見た目治療としての整容性のバランスをとった治療が大切です。カンファークリニックでは、機能性と整容性を最大限に活かし、顔全体のバランスを整えることができます。
オトガイ(顎、おとがい)の位置 |
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患者様が一般的に改善を希望する顎は、口裂(口唇)下方の下顎骨の中央部分を指すので、医学用語では、オトガイ(頤、おとがい)と呼ばれる下口唇と下顎骨下縁の中央領域部分を指します。前後方向としては、下顎の下縁ライン(いわゆるフェイスライン)で、後方は下顎角(エラ)から前方に至るオトガイ結節までの直線状の骨の形態によって掌られています。この正中部分にあたる領域(左右オトガイ結節間)が近遠心的なオトガイ領域です。また、上下方向としては、下顎骨下縁から、下顎歯槽骨、下顎歯切縁に至りますが、下顎歯槽骨よりも下方が上下的なオトガイ領域です。下顎歯槽骨よりも下方では、オトガイ唇溝の形態に影響を与えるため、オトガイ形態を単独で観察しないで、下顎歯槽骨とのラインの観察、形態付与が重要です。また、下顎歯槽骨は下顎歯軸の影響を受けるため、下顎歯軸の観察、検討が重要です。 |
オトガイの大小とフェイスライン |
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オトガイの形態は正貌では、りんかく、フェイスラインに影響します。お顔全体のバランスとして、上顔面、中顔面、下顔面のバランスの中で、オトガイ部分が大きいと顔自体が大きく見えます。また小さいとキュートでかわいらしく思えますが、小さすぎると後退して見えてしまい、常に顔の影を作ってしまうばかりではなく、顔全体のバランスは極端に悪く見えます。また、このような状態は嚙み合わせの悪化が併発しています。側貌ではオトガイからエラに至るまでの直線的な骨の形態で、首と顔の分水嶺として働く下顎骨ラインはフェイスラインと呼ばれています。また、オトガイ先端は鼻尖との関係では、E-Lineを形成し、上口唇、下口唇とともに、黄金比の基準です。顎の形態は、オトガイ形態を単独で観察しないで、額、鼻背、鼻尖、口唇とのラインを観察することが重要です。理想とするオトガイの幅は、女性では、左右内眼角(目頭)間にオトガイ結節が位置するとする説や、左右口角間にオトガイ結節間を位置づけるとする考えや、下顎犬歯、歯根尖間とする考え方があります。 |
このようにオトガイ形態を改善するためには、歯、下顎歯槽骨、下顎骨、口腔粘膜、皮膚伸展度、下唇小帯など、顔全体のバランスを検討する必要があり、さまざまな検討項目があります。
『顎の突出』『顎の長さ』『顎のしゃくれ』『顎の大きさ』『顎の幅』『顎の陥凹』『顎の縮小』『顎の左右差』『顎の変形』等、患者様には固有の様々な悩みがあり、それぞれの悩みに対応する手術を選択、実施する必要があります。この「実施」という点では、最近はシミュレーション技術が発達しており、画像上で術後形態をシミュレーションすることが可能となり、大変便利であり、患者様の術前不安解消の一助になっています。しかし、シミュレーションがうまいことと、手術でシミュレーション画像と同じような形態に仕上げることは異なります。この領域についても、手術が上手な先生に、手術を依頼することが、重要です。オトガイ領域はバリエーションが多い領域となり、手術術式の選択が重要です。
まずは患者様のご希望に対する処置方法や考え方、コンセプトを、ご説明します。
オトガイの解剖学的診断と評価方法 |
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以上の3点はオトガイ手術を行う際には大変重要な指標です。さらに顔面構成の評価は、個々のパーツごとに評価するのではなく、顔全体の調和で個々のパーツをとらえなければなりません。カンファークリニックでは、顔面高さ、上顔面、中顔面、下顔面のバランスを、専用のスケール(定規)で評価しており、患者様ご本人が客観的に評価することが可能です。
オトガイ形態の改善をご希望され、ご来院をされた場合、オトガイの長さを測定します。理想的な長さは、女性では平均が35mmであり、男性では38mm程度です。また、顔全体とのバランスを図ります。額の距離と口裂からオトガイまでの距離、眼裂から口裂間の距離、鼻翼の幅と瞳孔間距離、口角の位置とオトガイ結節の距離や幅などです。側貌として額、鼻根、鼻尖、上口唇、下口唇、オトガイ唇溝、オトガイ先端のプロファイルの判断をします。
顎は、下くちびるの下方で、顔の中心である下顎骨の中央部分を指します。この部位は医学用語では、オトガイ(頤、おとがい)とよびます。顔面輪郭手術の代表的な部位がエラ(下顎角)、頬骨、オトガイです。
オトガイは悩みに応じた手術を選択する必要があります。
『顎が長い』『顎がしゃくれている』『顎が出ている』『顎が大きい』『顎の幅が広い』『顎が引っ込みすぎ』『顎が短すぎ』『顎先に梅干しができて、しまりがない』『顎が曲がっている』等々、いろいろな悩みがあり、それぞれの悩みに対して対応する手術が異なります。
・ 短くする:骨の中抜きをする方法とあご先を削る方法があります。
・ ひっこめる:骨削り法と前額断骨切り法があります。
・ 細くする:オトガイ結節斜め骨切り、垂直骨切り、V-Line形成手術
・ 前に出す:水平骨切り、スクエア骨切り
アゴセットバック手術はバリエーションが豊富な手術です。
① 水平骨切り(sliding osteotomy)、骨切除術(中抜き)
② オトガイ下端削骨術+結節部斜骨切り術
① 水平骨切り+可動骨片前方移動術
① 水平骨切り、骨切除+垂直骨切り、骨切除術
② オトガイ下端削骨またはオトガイ結節切除術+下顎骨下端斜骨切り、骨切除術
③ V-Line形成術
① オトガイ・シリコンインプラント挿入術
② オトガイ水平骨切り術(sliding horizontal osteotomy)
シリコンインプラントの挿入とオトガイ水平骨切り前進術の選択基準は、下顎骨の総量、体積を勘案し、小下顎症症状の判断、診断です。
下顎骨の総量が小さい場合に、オトガイ水平骨切り前進術を選択しても、側貌における改善が正貌では顎が長く見えてしまうことがあるので注意が必要です。下顎が小さい場合には体積量を増やさなければ、前進しても、後退しても、また、スライドをおこなっても、改善しません。単純なオトガイの長さである、赤唇縁からオトガイ先端までの長さのみに頼らず、顔全体の下顎の大きさ、フェイスラインの明瞭度、下唇下制筋群としてのオトガイ筋の収縮度など総合的に判断すべきです。本術式の大きなメリットとしての副作用は、骨片を前に移動することに伴って、舌骨上筋群や頸部の脂肪組織などが同時にリフトアップされるため、二重あごも改善される点です。他院手術後の顎に変化がなかったという患者様の修正手術も承っております。下顎骨の皮質骨部分はオトガイ領域を含め骨の削合だけでは、骨の再生力が発達しており、またオトガイ周囲の筋肉群は下唇下制筋群として発達しているため、骨を削るだけでは効果が得られません。カンファークリニックでは、骨切離、骨切除術で大きな変化をもたらす事を可能としています。
オトガイ(顎)水平骨切り前方移動術について |
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顎がない患者様は、口もとに締まりがなく、顎先に梅干状のしわが出来ます。下唇下制筋群の過剰収縮による症状です。オトガイは適度な長さ、突出が大切です。美しい顔は顎先の形態が重要です。横から見た場合の顎の位置評価はRickttsのE-line(エステティックライン)が有名です。この基準は、鼻尖とオトガイ最突出点を結ぶ線に対し、口唇が接することが望ましいとされています。この方法は定規や鉛筆などを使って患者様ご自身で判断できます。 |
オトガイ(顎)水平骨切り後方移動術について |
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出っ張っている顎やしゃくれている顎の患者様に対しては、まずは嚙み合わせの診察をおこないます。反対咬合の場合は、かみ合わせの手術をおこなうだけで、顎の形態が改善する場合も少なくありません。かみ合わせは正常咬合の場合や、かみ合わせの改善を望まない場合は、オトガイ(顎)水平骨切り後方移動術を単独でおこなうことができます。 オトガイ(顎)水平骨切り後方移動術単独の場合でも、カンファークリニックでは突出部を削るだけではなく、骨切離、骨移動、骨固定をおこないます。この方法は、上下、左右、前後に移動させるため再発がありません。大きい顎に対しては、V-Line(ブイライン)形成(前方、全額)や結節斜骨切除、冠状断骨切除術を適応しています。 |
切らないオトガイ形成術の選択ついて |
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近年ではメスを使わない切らない美容整形があります。ダウンタイムが少なく傷跡が目立たないことから、手術による美容整形も受けやすいため人気を集めています。オトガイ形成術にもヒアルロン酸注入などフィラーで行う方法があります。持続性がそれほど期待できず、後戻りしやすいデメリットがあります。 注入技術によっては、左右差や表面の凹凸が生じてしまう場合もあります。半永久的な効果を期待したい場合は、本格的なオトガイ形成術が適しています。 |
オトガイ形成術には大きく分けて、削骨法と骨切離法と骨切除法があります。
カンファークリニックでは「削骨法・骨切離法・骨切除法」のそれぞれの特徴を説明した上で、
より適した術式を提案させていただきます。
削骨法 | 削骨法では、骨を削ることを中心となる術式です。下顎骨、オトガイ領域は骨皮質と髄質(海綿骨)の2層となっているため、この骨皮質内の手術に適応します。回転性の切削器具を用いる場合には剥離範囲を広げないと、組織損傷や神経損傷を起こしやすく、注意が必要です。骨皮質内の手術であれば、侵襲が少なく、手術後の腫れも少ない優れた術式です。 |
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骨切離法 | 骨切離法は、いわゆる骨切りと呼ばれている方法です。骨を2枚に切り離し、前後、左右に移動させることができます。上下移動の場合は、切除面積が必要となり、後述する骨切除が必要です。削骨法に比べて、骨の塊として移動できるため、再発がないメリットがあります。大きな骨の移動が可能なため、適切な位置での骨切離や固定、縫合など細かい手術操作が難しいのが欠点です。 |
骨切除法 | 骨切除法は、いわゆる中抜きと呼ばれている方法です。骨を3枚に切り離し、中央の1枚を切除します。残った骨片を前後、左右、上下に移動させることができます。削骨法に比べて、骨の塊として移動できるため、再発がないメリットがあります。また、骨切離法に比べ大きな骨の移動やしっかりとした復位、固定が必要になり、適切な位置での骨切離、骨切除、固定、筋肉や靭帯の縫合など細かい手術操作が骨切離法よりも複雑になり、難しいのが欠点です。 |
代表的な手術法として、下記手術をおこなっています。
短縮と同時に顎を前に出したい場合 | オトガイ水平骨切り術(中抜き法) |
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短縮と同時に顎幅を細くしたい場合 | ① 水平+垂直骨切り術 ② オトガイ下端削骨術 |
施術時間 | 約30〜60分 |
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治療期間 | 日帰り可能な手術です。 |
麻酔 | 全身麻酔または静脈麻酔酔 |
腫れ具合 | ★★★☆☆ |
ダウンタイム | 大まかな腫れや内出血が引いてくるまでに、2~3週間程度です。 組織が完全に落ち着くまでは3ヶ月~6ヶ月程度です。 ※いずれも個人差があります。 |
抜糸 | 溶ける糸を使用するため抜糸不要です。 |
料金(税抜)
オトガイ下端削骨術 800,000円
オトガイ水平骨切り術 800,000円
本術式はオトガイの短縮顔貌(短すぎる顎)の患者様に適応しています。
カンファークリニックでは、骨切りと同時に自家骨移植としての有茎骨移植とフリーグラフトを併用したコンポジットグラフトをおこなっています。
施術時間 | 約60分 |
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治療期間 | 日帰り可能な手術です。 |
麻酔 | 全身麻酔または静脈麻酔酔 |
腫れ具合 | ★★★☆☆ |
ダウンタイム | 大まかな腫れや内出血が引いてくるまでに、2~3週間程度です。 組織が完全に落ち着くまでは3ヶ月~6ヶ月程度です。 ※いずれも個人差があります。 |
抜糸 | 溶ける糸を使用するため抜糸不要です。 |
料金(税抜)
シリコンインプラント手術 350,000円
オトガイ水平骨切り術 800,000円
骨移植 800,000円
顎が短く・引っこんでいる状態を、インプラントでバランスの良い輪郭に整えます。
延長手術と同様に骨格に沿っていないインプラントを使用すると、不自然で顎のラインがまるでコブのようになることがあります。そこで当院では、骨格に沿ってカーブを描き出すように設計したオリジナルのインプラントを使用します。挿入後は非常に自然で違和感のない顎のラインになります。
施術時間 | 約60分 |
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治療期間 | 日帰り可能な手術です。 |
麻酔 | 全身麻酔または静脈麻酔 |
腫れ具合 | ★★★☆☆ |
ダウンタイム | 大まかな腫れや内出血が引いてくるまでに、2~3週間程度です。 組織が完全に落ち着くまでは3ヶ月~6ヶ月程度です。 ※いずれも個人差があります。 |
抜糸 | 溶ける糸を使用するため抜糸不要です。 |
料金(税抜)
シリコンインプラント手術 350,000円
オトガイ水平骨切り術 800,000円
個人差はありますが、顎を最大10~12ミリ短く、最大8~10ミリ後退させることができる施術です。
口の中からの施術ですので、外に傷が一切つきません。顎だけを見るのではなくエラなど輪郭全体のバランスをみてトータルデザインをするように心掛けております。
施術時間 | 約60分 |
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治療期間 | 日帰り可能な手術です。 |
麻酔 | 全身麻酔または静脈麻酔 |
腫れ具合 | ★★★☆☆ |
ダウンタイム | 大きな腫れが引いてくるまで、2週間程度です。 骨が治り、完全に形が整うまでは3ヶ月~6ヶ月程度です。 ※いずれも個人差があります。 |
抜糸 | 溶ける糸を使用するため抜糸不要です。 |
料金(税抜)
オトガイ前額断骨切り、骨切除術 800,000円
顎の骨を垂直骨切りし、その骨片切除により下顎全体が細くなり、小顔効果がはっきりと現れる手術です。単独あるいは水平骨切り術と同時に行ない、骨切除による顎幅の減少・左右非対称、長さの短縮を行います。
顎のラインをV字型に形成する手術として希望される方が多く、韓国においては輪郭形成術の中でもVライン形成術として人気です。
施術時間 | 約60分 |
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治療期間 | 日帰り可能な手術です。 |
麻酔 | 全身麻酔または静脈麻酔 |
腫れ具合 | ★★★☆☆ |
ダウンタイム | 大まかな腫れや内出血が引いてくるまでに、2~3週間程度です。 組織が完全に落ち着くまでは3ヶ月~6ヶ月程度です。 ※いずれも個人差があります。 |
抜糸 | 溶ける糸を使用するため抜糸不要です。 |
料金(税抜)
オトガイ垂直骨切り、スクエアボックス骨切り術 800,000円
オトガイの短縮量が5mm以下であれば、はじめにこの術式を選択します。
本術式の利点は、手技が簡単で、手術侵襲が小さく、早期に回復することです。固定が必要ありませんので、チタンなどの金属にアレルギーなどがある患者様にとっては好都合です。
施術時間 | 約60分 |
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治療期間 | 日帰り可能な手術です。 |
麻酔 | 全身麻酔または静脈麻酔 |
腫れ具合 | ★★★☆☆ |
ダウンタイム | 大まかな腫れや内出血が引いてくるまでに、2~3週間程度です。 組織が完全に落ち着くまでは3ヶ月~6ヶ月程度です。 ※いずれも個人差があります。 |
抜糸 | 溶ける糸を使用するため抜糸不要です。 |
料金(税抜)
オトガイ結節切除術、下顎骨下端斜骨切り形成術 800,000円