
あご【アゴ延長手術】
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アゴ延長手術について
オトガイ領域は、曲線、凹凸、湾曲など立体感があり、顔面全体とのバランスがとても重要です。
オトガイが短いまたは後退している場合、下顎骨の後退、下顎骨の矮小化を伴うことが多く、正面から見て顎先が影になります。その結果フェイスラインがぼやける、顎先がたるむ(二重あご)の原因になります。
カンファークリニックでは、骨切りと同時に自家骨移植としての有茎骨移植とフリーグラフトを併用したコンポジットグラフトをおこなっています。このような症状のある患者様の口腔内の観察をおこなうと、ディープバイト、過蓋咬合、出っ歯、Angle分類Ⅱ級咬合、Speeの湾曲の過剰、咬合平面の乱れ、臼歯部の低位咬合などが併発しており、診断と治療方針の決定は慎重に行う必要があります。またその形は、フェイスラインやE-lineに影響します。
本術式はオトガイの短縮顔貌(短すぎる顎)の患者様に適応
本術式を適応することにより、正面、側面から見たあごの形態改善をおこない、きれいなフェイスラインを目指します。
オトガイ(顎)延長術は下顎枝から採取した自分の骨を顎先に移植して、不足している部分を補う方法です。顎先に骨を継ぎ足すことで、下顎が下方向に延長され、中顔面、下顔面、フェイスラインのバランスを整えることができます。
移植に用いる組織について |
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オトガイ(顎)延長術で移植する組織は、下顎骨の下顎枝または同一手術野から骨膜とともに骨組織を採取し移植します。口腔内から骨を採取するため、耳の裏や胸の下など他の部位に傷をつけることがありません。 |
シリコンインプラント・水平骨切り術+可動骨片の延長
顎の長さが極端に短い場合は、顔全体のバランスを欠きます。オトガイの長さは、正面観では、下唇の赤唇縁から下顎骨下縁までの距離として認識され、そのバランスが重要です。横から見た場合は下唇とオトガイの中間にあるオトガイ唇溝(Mentalis)として、小さなくぼみがあり、そのくぼみから顎の先端に向かって隆起した、きれいなS字カーブを描いている状態が、バランスの整っているといえます。
かみ合わせや顎関節の状態まで含めた診察、診断は不可欠ですが、見た目の改善をおこない、美しく顎の形態を改善するためには、かみ合わせや口腔機能を優先すべきではなく、最も侵襲が少なく、形態改善、整容改善に適した、手術術式、治療方法を線なくすべきです。その考えのもとでは、シリコン・インプラントや水平骨切り術+可動骨片の延長で改善することが最も簡便な改善方法と言えます。
オトガイを前方移動させないで、下方向へ延長をおこなう場合やV-Line形成をおこなう場合は、オトガイのスクエア骨切りを適応しています。
アゴ延長手術のポイント |
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アゴ延長手術がおすすめの方
- 顎が短い
- フェイスラインが不明瞭
- 顎が足りない
- 出っ歯に見える
- ガミースマイルかもしれない
- 顎先に梅干しじわがある
- 笑った時に歯ぐきが見える
- 横顔の美しさにこだわりたい方
アゴ延長手術の概要
施術時間 | 約60分 |
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治療期間 | 日帰り |
麻酔 | 全身麻酔または静脈麻酔 |
ダウンタイム | 大まかな腫れや内出血が引いてくるまでに、2~3週間程度です。 組織が完全に落ち着くまでは3ヶ月~6ヶ月程度です。 ※いずれも個人差があります。 |
費用 | シリコンインプラント手術 350,000円(税抜) オトガイ水平骨切り術 800,000円(税抜) 骨移植 800,000円(税抜) |
アゴ延長手術で期待できる効果
- オトガイが下方に伸びることで、フェイスラインが整う
- 正面から見た顎先がすっきりした顔立ちになる
- 顎先の左右差は、左右対称的な顎に改善する
(かみ合わせ治療が必要な場合は事前にお伝えします) - おでこ、鼻、唇、顎先のラインが整うことで、横から見たときのシルエットが整う
- 移植する骨の厚みや大きさを細かく調節して理想の顎の形を目指すことができる
アゴ延長手術の流れ
オトガイ(顎)延長術は、口腔内の下唇裏側を3cmの小さな切開を加えます。その小さな切開部位からオトガイ下に骨移植をおこなうために必要なスぺ―スを作成します。口腔内から採取した骨、骨膜複合組織を移植し、スクリュー固定をおこないます。患者様の症状によっては骨切りを併用することもあります。以降では、オトガイ(顎)延長術の流れをご説明します。
1. デザイン
オトガイ高、下顎形態、咬合状態、歯の傾斜角度、軸方向状態を診察し、オトガイ延長に必要な伸展範囲を決定します。
この時に移植骨のおおよその大きさの決定もおこないます。下方に移植する骨片の大きさは、患者様の希望される顎の長さ、顎の細さによって決定します。下方に移植し、骨片の力で軟組織を伸展させると、周囲組織である、下唇下制筋群の圧迫や手術後に起こる骨膜吸収を考慮します。骨切りを併用する場合は、ラインの設定として、歯根先端の位置、特に下顎犬歯歯根先端位置が重要です。長さ、幅、形を含めて、オトガイ高を延長する範囲をマーキングします。
2. 麻酔・切開、剥離
手術は全身麻酔あるいは静脈麻酔でおこないます。手術時間は60分です。歯科用1/8万倍エピネフリン添加のリドカインカートリッジ8mlを使用し、局部麻酔も併用します。エピネフリンの作用により、局所麻酔薬の使用量が抑えられ、また、血管収縮効果により、出血の抑制並びに適正な術野の確保を得ることができます。15番メスまたは、ellman社製電気メスを使用し、口腔粘膜を切離した後、オトガイ筋、口輪筋、下唇下制筋を明示しながら、下顎骨骨膜に至ります。
骨膜はメスを用いて切離した後、下顎周囲をde-glovingテクニックをもって、鈍的な一塊の剥離をおこない、オトガイ領域を露出します。下顎骨下縁まで必要な術野を展開します。最小限の切開と剥離をおこないますが、周囲筋肉の剥離は最小限にとどめつつ、骨切りに際して軟組織の損傷のない範囲で十分な術野の展開と確保をおこないます。展開後の術野の確保には細谷氏金鈎が有用です。剥離は骨移植に必要なスペースを作成します。
3. 移植骨の採取と工夫
口腔内の下顎枝または親知らず部分から移植骨を採取します。
移植片の固定には、オトガイの中心線のレベリングが重要です。正中のずれは、このレベリング処理によっておこないます。骨切りを併用する場合は、歯槽骨から下顎骨下縁に向けて骨切りラインを決定します。骨切りラインの幅径はオトガイ孔より前方で処理ができれば、オトガイ神経の剥離と伸展は最小限に留まるため、手術中の神経線維の損傷、手術後の神経鈍麻、神経麻痺の出現確率は大きく減ります。骨切りを併用する場合にはサジタルソウや、レシプロケーティングソウを使用し、骨切りをおこないます。患者様のご希望に準じて、延長距離は決定しますが、長い場合は20mm以上の伸展も可能です。
また、移植骨は血管丙のない、フリーグラフトとなるため、血液供給を考慮し、移植骨皮質骨をトレパンバーでハチの巣状に骨削をおこなう場合もあります。
4. 骨片の位置決めとトリミング・固定
カンファークリニックでは、骨切りと同時に自家骨移植を併用し、骨片の固定をおこなっています。骨切りに際して、オトガイ神経孔、下歯槽神経の走行は術前検査で把握をしているので、セーフティーマージンを見込んだ、骨移植、骨切りを決定しています。
リスクを冒す必要はありませんが、ゴールデンレシオと呼ばれる平均値を目安に手術をおこなうと、患者様のご希望の通りに結果が得られませんので、術前のCTやセファログラム、オルソパントモグラムを参考にすべきです。移植骨はチタン製ラグスクリューを用いて固定します。延長した両端はステップを生じないように、下顎骨のラインに自然に移行するようにトリミングをおこないます。
経皮的な観察をおこなったのち、術野を生理食塩水で洗浄します。いわゆる骨の削りかす、粉砕骨片があると感染の原因になります。骨からの出血を認める場合は、骨ノミ、骨蝋、ハイドロキシアパタイト、TCP製剤を使用します。軟部組織からの出血に対しては、血管結紮、電気メスによる焼成、ブラウジングに対しては、ボスミンガーゼ、トラネキサム酸ガーゼを使用して止血し、止血確認後、縫合に移ります。手術後の腫れは少なく、手術後の口唇周囲の麻痺感も少ない侵襲の少ない手術といえます。
骨延長法について |
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現在は骨延長技術が進歩し、専用のデバイス(骨延長器具)を使用することで、骨の延長が可能な時代になりました。しかし、下顎骨は弓状であり、直線的な形態をしておらず、美容的な観点で改善をする場合には、これらデバイスを使用した延長手術では、美的改善には程遠い結果であり、まだまだ限界があると言えます。 |
5. 縫合
術野の止血確認後、PDS、バイクリル、モノクリルなどの吸収糸を使用し、骨膜、筋層、粘膜の各層縫合をおこないます。日帰り手術となり、骨の延長によって、口腔粘膜は手術直後から会話、飲食など可動するため、粘膜の再表層は緩めの縫合にして、可動時の規制がないよう(引き攣れ感の緩和)工夫をしています。
6. 術後
1時間ほどご休憩いただき、問題がなければご帰宅を頂けます。
手術後について
創部の圧迫 | 手術日の翌日までテーピング圧迫をおこないます。手術日の翌日にご自身で除去して頂きます。 |
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術後の通院 | 定期的な通院は不要です。患者様のご希望により、診察をしております。 |
抜糸 | 溶ける糸を使用します。手術後1か月ほどで自然になくなりますので、ご来院は不要です。 |
洗顔 | 圧迫用テーピング部位以外は当日より可能です。 |
入浴 | 軽めの入浴は当日から可能です。シャワーも当日から可能です。 |
メイク | テーピング除去後、手術の翌日から可能です。 |
その他 | 手術後7日間は、喫煙をお控えください。 |
アゴ延長シリコンインプラント手術の詳細
シリコンインプラント手術は骨格に沿ったカーブを描くように独自に設計していますので、自然なフェイスラインになります。シリコンインプラントは、最も安定する骨膜下に挿入するので、安定して動きません。
顎の骨格に沿っていないインプラントを使用すると、不自然で顎のラインがまるでコブのようになることがあります。そこで当院では、顎の骨格に沿ってカーブを描き出すように設計したオリジナルのインプラントを使用します。挿入後は非常に自然で違和感のない顎のラインになります。
他院でインプラントを挿入して、“こぶ”のようになった方は、骨格に沿っていないインプラントを挿入したからです。このような場合は、当院のインプラントを入れ替えれば自然な輪郭になります。
シリコンインプラント手術のポイント |
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アゴ延長シリコンインプラント手術のこだわり
カンファークリニックのシリコンインプラント手術は、事前にレントゲン検査を行って、フェイスライン、アゴ、くちもとを3次元レベルで審査診断し、一人一人の顔立ちのバランスを考えた、アゴシリコンインプラント手術を行っています。
アゴ先は解剖学用語では「オトガイ」と命名されています。オトガイは、下アゴの中でもっとも前方にある突出した部分です。このオトガイ部分にはオトガイ棘と命名されている、突起が存在しています。また、下アゴの形は直線ではないので、複雑にねじれています。 ここに既製品のシリコンインプラントを挿入しても、すぐにずれてしまいます。
カンファークリニックでは、シリコンインプラントの大きさの決定と挿入する位置にこだわった治療を行っています。挿入するシリコンインプラントの大きさの決定には、3次元的な顔のバランスを徹底的に診断精査しています。デザインに関しては、おでこ、鼻の根元、鼻先、頬の張り出し、くちもと、アゴ先のバランスを考えたデザインを重視しています。また、挿入する位置はオトガイの骨の直上(骨膜下)もしくは骨の骨膜上に挿入しています。
下アゴの骨には「骨膜」と命名された厚さ0.5ミリほどの膜が存在します。この膜を境にして挿入部分を決定する位置決めを行っています。骨膜下に挿入すると、シリコンインプラントはしっかりと維持され、動くことはありません。しかし、おとがいの骨が何十年も経つと溶けてくる場合があります。骨膜上に挿入すると、骨が溶けることは防ぐことができますが、骨膜下に挿入した時のように安定するまでには数か月かかることがあり、それまでの間に動いてしまう可能性があります。
どちらの方法が良いかはレントゲン検査を行ったうえで、オトガイの骨の状態やくちびるの裏の粘膜の厚み、皮膚の厚みやオトガイ部分の筋肉の太さや厚さを総合的に診察して最も自然で、もっとも無理のない方法をご提案しています。
シリコンインプラント手術の概要
施術時間 | 約15分 |
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治療期間 | 日帰り |
麻酔 | 局所麻酔 |
費用 | 350,000円(税抜) |
シリコンインプラント手術のよくある質問
顎が足りないせいか、横顔のバランスが悪いです。
顎を出す手術方法は?
アゴの長さによって、シリコンインプラント手術、水平骨切り前進法をおこないます。
顎にインプラントを入れると骨に吸収されると聞きました。
本当ですか?
当院のシリコンインプラントは、患者様の顎の骨の状態に合わせた、オーダーメイドインプラントですから、吸収の心配はありません。既成のシリコンインプラントの場合は、アゴの骨と合っていないために骨膜吸収を起こすことが報告されています。
他院で顎にインプラントを入れたらこぶのような不自然な形になりました。修正できますか?
当院のシリコンインプラントは、患者様の顎の骨の状態に合わせた完全なオーダーメードシリコンインプラントですから、自然な形に修正することが可能です。
インプラントはどこから入れるのですか?
顔に傷はつきませんか?
シリコンインプラントは下唇の裏側を2㎝程切開して挿入します。顔に傷は残りません。
インプラントは身体に安全ですか?
当院で採用しているシリコンインプラントは医療用インプラントです。身体に害を及ぼすことはありません。
腫れについて教えてください。
手術当日は圧迫用のテーピングをおこないますので、腫れは気にならないと思います。手術による腫れの影響は1週間ほどで治まります。出来るだけ腫れないような手術操作と、手術後の専用飲み薬を使うことで、最小限の腫れで治まります。
痛みについて教えてください。
シリコンインプラントの手術では痛みはそれほど強くありません。専用の飲み薬の服用で、術後の痛みを感じることはありません。