今日の手術はガミースマイル、粘膜切除、口腔前庭縮小手術でした。
口腔前庭は文字の通り、口(口腔)の前のお庭(前庭)です。前歯と前歯が噛み合わさった部分より前で、唇の内側の空間を指します。
簡単に言えば、唇の裏側の粘膜です。
写真のように、この長い部分が口腔前庭部分の粘膜と歯ぐきです。
このような感じで歯の生え際の歯茎から、唇の粘膜の裏側までが長いと笑った時に歯ぐきが見えやすい状態になります。
こちらは口腔前提がもともと狭い患者様です。
歯ぐきが長い人と短い人を比較すると、こんなに違いがあるのです。
他人のお口の中をまじまじと観察して比較をすることはないので、その違いには気が付きにくいですね。
また、この写真のように唇の裏側のヒダが大きくて、太くて、長い場合があります。
このひだの名前が上唇小帯です。
上唇小帯が邪魔をしている場合には、上唇小帯切離形成移動術を一緒に行う時もあります。
口腔前庭縮少手術は文字の通り、口腔の前のお庭を狭くする手術です。
不要な長い粘膜を切除して、歯肉の幅を調整して、タッキングを行います。
不要な粘膜を切除するだけですから、手術後の日常生活に支障が出たり、笑った時に不自然なお顔になることはありません。
口腔前庭縮小手術のポイントは、
*歯と歯ぐきをアンカーにして粘膜をタッキングをする。
*上唇挙筋群は露出させない。
*口腔前庭の粘膜は切除し、上唇小帯を適切な位置にリプレースする。
これが手術を成功に導く3つのポイントです。
口腔前庭の深さや上唇小帯の位置が原因で、唇が上に持ち上がってしまう場合には
1、上唇小帯の適正位置への移動
2、口腔前庭の縮小
3、歯肉、歯槽骨膜へのアンカリングによる再発防止
4、小鼻、鼻翼形態の外観の保持、向上
5、口唇形態、キューピット弓、リップリフト効果の増強
を工夫する必要があります。
また、笑った時に歯肉と粘膜、唇の位置関係がずれると、術後の表情のこわばりや、不自然な動き、不自然な笑い顔になリマス。
ですので、適正な位置関係で口腔前庭の切除範囲を決定します。
歯ぐきの厚みを考慮して糸をかける歯ぐきや粘膜の層と糸を縛る牽引方向を決定することが重要です。