今日の患者様は「開咬(かいこう)治療」オープンバイトです。
オープンバイトの患者様に当院でお勧めしている治療方法がオープンバイトセットバックマウスピース治療です。
この方法なら、抜歯をしないで綺麗なマウスピース矯正治療ができます。
開咬オープンバイトとは垂直的咬合関係の位置異常で、数本の歯が低い位置に生えているので、噛み合わせた時に上下顎の歯の間に隙間のある状態です。
簡単に言うと、前歯がかみ合っていない状態のことです。
このような感じです。奥歯が当たっているのに、前歯は当たっていないのです。
オープンバイトの治療を歯列矯正で治そうと思っても、そもそも適応では無いの治りません。
よく先生方が使用する言葉に「難しい」という言葉がありますが、イコール🟰できない。ということです。
でも、患者様の希望に沿ってなんとかしてあげたい‼︎と思う矯正歯科医師はたくさんいらっしゃいます。
でも、できないものはできないのです。
これは、技術とか経験とかの問題ではありません。
最近では、矯正用アンカースクリュー(通称インプラント矯正)なるものが出現しましたが、ワイヤー(針金)で動かせない症状を、インプラントを使って無理やり動かそうと思うことがそもそもの間違い。
体にも、歯にも、骨にも負担がかかり、ろくなことにならないのです。
歯が短くなる、インプラントが抜ける、時間がかかる、時間をかけた割に動かなかった、痛い。
大人になってからの開咬オープンバイト治療は、治療方法を選ばないとロクなことになりません。
MFT(口腔筋機能療法)なるものがありますが、これも、痩せたい人への食事療法みたなもの。難しい漢字を使って、なんだかありがたい治療方法のように思えますが、大人にとっては、医療と言えるほどの治療ではありません。(子供には補助的な方法として推奨されています。)
ここで、開咬オープンバイトの成り立ち
開咬オープンバイトには2つの要因があります。
・骨格型不正要因(遺伝要因)
・機能型不正要因(環境要因)
骨格型不正要因とは簡単に言えば、生まれ持った骨格の特徴です。背が高い人、背が低い人、バストが大きい人、バストが小さい人みたいなことです。
つまり、一般的な矯正治療では完治できず、手術が必要ということです。一般矯正治療の出番はありません。
開咬オープンバイトは機能型不正要因であると言われていますが、子供だけに当てはまる要因と言っても良いでしょう。
つまり、機能型不正要因とは「指しゃぶり」・「舌突出癖」といった要因です。(環境要因)大人には無縁の世界です。
これが長期間かつ持続的に起こると開咬が生じることは確かです。。
それでは開咬オープンバイトの治療は何が難しいのでしょうか?
開咬はその治療自体が難しいとされていますが、実は、治療自体は難しくはなく、歯列矯正歯科治療だけで治そうとすると難しいという、矯正歯科医師の嘆きのようなものです。
矯正歯科治療では、開咬は以下のどちらかの歯の移動により改善しようとしますが、大人になってどちらを行うにしても、とても無理がかかるのです。
①臼歯の圧下(奥歯を沈ませる移動)
②前歯の挺出(前歯を出してくる移動)
①と②の歯の移動で難しいとされるのが、①臼歯の圧下です。
そこで2012年に薬事承認された「歯科矯正用アンカースクリュー」を、この圧下のために使用する先生も多数いらっしゃいます。
矯正歯科医師が何と比較をしているのか分かりませんが、臼歯の圧下を比較的簡単に行うことができるようになりました。という先生がいます。
しかし、簡単と言っても、患者さまにとって、簡単じゃありません。患者様の日常生活の負担は相当なものであり、それが1年2年と続くのでたまったものではありません。
やっぱり、オープンバイトセットバックが簡単で便利です。
抜歯が不要で60分ほどの手術で改善し、その後に矯正治療を始めれば、歯にも体にも負担がなく、噛み合わせも完璧に治ります。矯正治療はマウスピース治療で対応できます。
新しい装置(治療)が必ずしも良いとは限りませんが、カンファークリニックでは、開咬オープンバイトの患者様にセットバックマウスピース治療をお勧めしています。
「歯科矯正用アンカースクリュー」や「インビザライン」といった装置では、体に無理がかかるだけです。