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矯正力による歯の移動原理

どうして歯を動かすことができるのでしょうか

矯正歯科治療は、歯に継続的に圧力を加えると歯の周囲の骨が改造され、歯の移動が起きるという原理に基づいて行われます。歯の周囲の骨は、吸収と添加が繰り返し起こります。つまり、歯は歯茎ととも動くように骨内を移動します。この反応には歯根膜という歯根周囲の組織が重要な役割を担っています。

矯正力による反応に関わる歯周組織の細胞

歯が動く時、歯周組織の反応で重要な役割を担うのは、歯根膜と歯槽骨です。歯根膜は歯槽骨と歯根の間に存在する特殊な組織です。矯正力に対する歯根膜と歯槽骨の反応は、二つの組織にあるいろいろな細胞の反応によるものです。
歯根膜と歯槽骨に存在する細胞には、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞、マクロファージなどどがあります。これらの細胞のうちで特に矯正力に対する生体反応に重要な役割を担うのが、骨形成に関与する骨芽細胞と骨吸収に関わる破骨細胞です。

歯根膜と歯槽骨の反応

ある大きさ以上の力をある期間以上歯に加えると、歯の周囲の歯槽骨に骨改造が生じます。矯正力が歯に加わると、歯根膜には圧迫側と牽引側という力学的環境が異なる二つの領域が形成されます。圧迫側では、力の作用方向に対向する歯根膜は圧縮され、その領域の歯槽骨は破骨細胞により吸収します。一方、反対側となる牽引側では、歯根膜は引き伸ばされ、骨芽細胞による骨形成を生じます。この圧迫側と牽引側での骨改造が同時に起きることによって歯は力の作用方向に移動することになるのです。

(引用:新しい歯科矯正学)